はじめに・・・
臨床検査技師になる時にくぐらないといけない関門があります。
それが「国家試験」です。
3年生の時はあまり勉強に対してやる気がありませんでした。先生が作ってくれた国家試験のまとめや過去問でほぼほぼ暗記中心の勉強で合格してしまいました。
私は1・2年生の時にほぼ毎日あった小テストや重要な学科試験などの勉強で本当の意味で「理解する」ことと、なぜそうなるのか常に疑問をもって勉強していました。
なぜそうなるのか論理的に考えて覚えるようにしていました。
そのおかげで3年時にはある程度ベースができていたので理解の復習と足りていない知識の暗記・語呂等を駆使して合格することができました。
しかし、1・2年生からこのように勉強して、3年生でいけば普通に140点ぐらいは狙えると思います。
だけど1・2年生時ほとんど勉強せずに、ただ単位取得のためだけに勉強していた場合、中々合格点を取るまでの道のりは険しいと思います。なのでそういった人向けにどうやって勉強をやって行けばいいか綴っていこうと思います。
〈国家試験の勉強の仕方〉
・期間:約半年~1年(もちろん早く始めた方が良いです)
・一日の勉強時間:最低5時間~10時間(ここは個人の理解力と今まで積んできたベースで異なります)
(使用する教材・物)
・通常の赤本(医歯薬出版の臨床検査学講座の奴)
↓
この赤本は国家試験の問題が出るベースになっております。
・過去問・・・まぁ色々ありますが、わたしは以下の過去問がお勧めだと思います。
↓
こちらは解説がかなり詳しくされている過去問となっております。わりとおすすめです。学校にあったのをたまに使用していました。
こちらは一般的な奴です。私はこれを使用してました。ディスクでPCに取り込んで問題を解けるという付録つきです。
しかし、私は過去問を見て解いていませんでした。先生のまとめや過去問集を解いた後に過去問にある解説を呼んで理解する程度でした。
あった方が良い物(なくてもよい)
・パソコン
・プリンター
・A4のコピー用紙(500枚ぐらい?)
・A4の2リングファイル3冊位
・ボイスレコーダー
・スマホ
国家試験に使えるアプリ
・臨床検査技師国家試験 medixtouch
このアプリは過去11年分の臨床検査技師国家試験問題と解答がのっており、スマホで問題を解くことができます。またキーワード検索機能があり、例えば「アルブミン」と検索をかけると、アルブミンと記載がある問題が出てきます。
使い方としては、ペーパーで解いて選択肢の中で出てきた語句が、他の問題で出題されていないかなど把握することができます。
また分野ごとに問題を見れるのでおすすめです。
play.google.com
〈私のやり方〉
(準備)※無駄な作業だと思う方はやらない方がいいです。
1.厚生労働省の臨床検査技師国家試験の過去問と別冊をダウンロードし、pdfからコピーする。最低5年分はコピーした方が良い。
※64回の試験を受けるなら59回~63回。
(リンク集)
厚生労働省:第54回臨床検査技師の問題および解答について
厚生労働省:第55回臨床検査技師国家試験の問題および解答について
厚生労働省:第56回臨床検査技師国家試験問題および正答について
厚生労働省:第57回臨床検査技師国家試験問題および正答について
第58回臨床検査技師国家試験問題および正答について|厚生労働省
第59回臨床検査技師国家試験の問題および正答について|厚生労働省
第60回臨床検査技師国家試験問題および正答について|厚生労働省
第61回臨床検査技師国家試験問題および正答について|厚生労働省
第62回臨床検査技師国家試験の問題および正答について|厚生労働省
第63回臨床検査技師国家試験問題および正答について|厚生労働省
第64回臨床検査技師国家試験問題および正答について|厚生労働省
第65回臨床検査技師国家試験問題および正答について|厚生労働省
2.2リングファイルにもよるが1冊、2or3年分となるように綴じる。
※私はわざわざ10年度分を切り貼りして、科目ごとに分けるというようにやりました。あまりおすすめしません。
↓科目ごとに分ける場合参照
臨床検査技師国家試験問題集(医歯薬出版)の解説参照
午前・午後
1~10:臨床検査総論、(10問/計20問)
11~15:臨床検査医学総論、(5問/計10問)
16~28:臨床生理学、(13問/計26問)
29~44:臨床化学、(16問/計32問)
45~58:病理組織検査学、(14問/計28問)
59~67:臨床血液学、(9問/計18問)
68~78:臨床微生物学、(11問/計22問)
79~89:臨床免疫学、(11問/計22問)
90~94:公衆衛生学、(5問/計10問)
95~100:医用工学、(6問/計12問)
以下は実際に取り組み方を説明します。
(解き方)
パターンA:語句について、役割・どのように使われているか、作用、関係性が高いものを選択する問題。ほぼ暗記物的な感じです。
このような問題は表などでまとめたほうが良いです。
↓
例)60回 AM
1 グルコースの検査に使用する血液はどれか。
1.無添加全血
2.シュウ酸加血
3.ヘパリン加血
4.EDTA-2Na 加血
5.NaF, EDTA-2Na 加血
①まず問題文は何を聞いているのか理解する。ここでは、「どの検査でどの採血管を用いればよいか」と言うことを聞いています。
②説明する(心の中or声に出して)。
それぞれの問いに対して、1は○○だから△△の検査、2は○○だから△△の検査・・・と言った調子で説明します。
そして理解度を把握するために・・・
- すべて説明できて且つ答えがあっているものは→選択肢の番号の横に○をつける。
- 説明が曖昧・微妙にあってるか自信なしのもの→選択肢の番号の横に△をつける。
- 全く説明できないもの→選択肢の番号の横に×をつける。
当然わからなければ解説を読む。それでもわからなかったら自分で調べたり、後で先生や友達に聞きます。
→そして教科書のページを記入するor簡潔に自分なりに説明文を加えるなどをします。
③これは何回か同じような問題を解いて、ある一定の問題の規則性にに気づいたときに行うことをお勧めします。
この問題の場合、作用、必要量、用途、注意点、用いていけない検査など教科書を読むと書いてあったりする。
表でまとめる。問題で提示されている内容以外にも、まとめられるものはまとめましょう。
例)参考までに…
または、紙に自分でまとめてもよいでしょう。
表を作製する際のポイントとしては、なるべく右脳暗記をするために、挿絵を加えたりそれがイメージしやすいように色を用いることがポイントとなります。
↓
その例がこちらになります。
このようにゴロによって全ての脳神経の名前が押さえられ、図と番号に振られた色で視覚的に支配領域が思い出しやすくなります。
また、ゴロで支配領域がある程度まとまっているので、ゴロを上手く区切って思い出すことも容易にできるという考え方で覚えてしまってもよいでしょう。
発展系の記憶法として、ゴロを思い出しやすくするためにゴロを思い出しやすくするための挿絵を加えることもおすすめです。
パターンB:計算が必要となりうる問題。
↓
これは問題の解説を見て解法を覚えるという感じでOKです。
深く掘り下げることは、時間の無駄に近いのでやめましょう。先生に質問して解き方を聞きましょう。
※時間や余裕がある場合はやってもOKです。
パターンC:教科書の文章が問題化した問題。
↓
36 血清蛋白について誤っているのはどれか。
1.アルブミンは遊離脂肪酸を運搬する。
2.アルブミンはカルシウムと正の相関をする。
3.免疫グロブリンは大部分がc 分画に含まれる。
4.乳幼児期の免疫グロブリン濃度は成人より高い。
5.トランスサイレチンの半減期はアルブミンより短い。
~解き方~
※①~②まではパターン1とほぼ同じ。
①問題文から「血清蛋白」について問う問題であることを理解する。
②次に、答えだと思うものはどれか選択する。なぜそれが答えであるか、それぞれの問いに対して、自分で心の中or声に出して説明する。
・すべて説明できて且つ答えがあっているものは→選択肢の番号の横に○をつける。
・説明が曖昧な物→選択肢の番号の横に△をつける。
・全く説明できないもの→選択肢の番号の横に×をつける。
③次にそれぞれの選択肢に対して調べていく。基本教科書を読み、その時点で理解するように努める。
(疑問を持つことが大切)
例)
1.アルブミンとは一体何なのか?
1.生体にどのくらいあるんだろう?
1.アルブミンの機能は?他に運んでいるものはないかな?
1.遊離脂肪酸ってなんだっけ?
・・・・
など、問題の選択肢を見れば疑問に思えることはたくさん浮かぶ。
しかし、調べると問題全体を解くのに膨大な時間がかかりすぎるので、
まずは1回目は・・・
- そもそもそれは何なのか?
- 選択肢に対する適する答えを自分なりに考える。
2回目、3回目と解くごとに
- なぜこれが答えなのか?理屈、理由、仕組みを調べて理解する。
- 教科書を読みこんで、問題として問われそうなことを考える。
- 選択肢に出てきた語句について深く調べたり、教科書を読む込んで知識を深めながら「それってなんだっけ?」って自分に問いかけたりする。
など、どんどん理解を深めたり、知識を深めたりしていく。
また秘儀として、1年生~2年生の講義、3年生の国家試験対策をボイスレコーダーで録音し、PCなどに吹き込んで、mp3にしてDVD化してました。暇な時間帯や、家事をしているときに聞くなどもよいかもしれません。
私はわざわざ自分のまとめをボイスレコーダーに入れて、記憶するという方法を取っていました。
その時使っていたボイスレコーダーです。
↓
国家試験の大まかなプラン
- かなり時間があるとき→知識を深める勉強法、つまり教科書を読みこむ。
- 試験間近→暗記に呈する勉強法、つまり数をこなす。
かなり大まかですがこれでいけると思います。
国家試験を乗り越える上で一番大事なこと
- 一緒に勉強できる仲間を作る事、先生に頼りまくる事
- 集中できる勉強環境を作る事
なによりモチベーションの維持と、情報の共有が勉強するために必要です。
モチベーションが湧かなければ勉強も続かないし、情報も狭いと間違った勉強法で失敗してしまうことが大いにあるので…。
国家試験合格を願っています。
※良い勉強法があれば更新していこうと思いますので、よろしくお願いします。